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ホモ接合体家族性高コレステロール血症

医療関係者向け

HoFHの臨床症状は多彩であり、早期に診断することが重要です

小児も成人も、表現型の重症度に応じて、
以下の兆候の組み合わせを示すことがあります。

ASCVD = 動脈硬化性心血管疾患、CVD = 心血管系疾患、MI = 心筋梗塞。


診断基準


成人(15歳以上)FH の診断基準16




1.高 LDL-C 血症(未治療時の LDL-C 値180 mg/dL 以上)
2.腱黄色腫(手背、肘、膝等またはアキレス腱肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫
3.FH あるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(第一度近親者)



  • 他の原発性・続発性脂質異常症を除外した上で診断する。
  • すでに薬物治療中の場合、治療のきっかけとなった脂質値を参考にする。
  • アキレス腱肥厚は X 線撮影により男性8.0 mm 以上、女性7.5 mm 以上、
    あるいは超音波により男性6.0 mm 以上、女性5.5mm 以上にて診断する。
  • 皮膚結節性黄色腫に眼瞼黄色腫は含まない。
  • 早発性冠動脈疾患は男性55歳未満、女性65歳未満で発症した冠動脈疾患と定義する。
  • 2 項目以上を満たす場合に FH と診断する。
  • 2 項目以上を満たさない場合でも、LDL-C が250 mg/dL 以上の場合、
    あるいは2または3を満たしLDL-C が160 mg/dL 以上の場合はFHを強く疑う。
  • FH 病原性遺伝子変異がある場合は FH と診断する。
  • FH ホモ接合体が疑われる場合は遺伝学的検査による診断が望ましい。
    診断が難しいFHヘテロ接合体疑いも遺伝学的検査 が有用である。
  • この診断基準は FH ホモ接合体にも当てはまる。
  • FH と診断した場合、家族についても調べることが強く推奨される。


小児 FH の診断基準17




1.高 LDL-C 血症(未治療時の LDL-C 値140 mg/dL 以上、複数回確認)
2.FH の家族歴(親または同胞)
3.親の LDL-C が180 mg/dL 以上または早発性冠動脈疾患の家族歴(祖父母または親)
 


他の原発性・続発性高 LDL-C 血症を除外し、
  • 項目1と2で、FH と診断する。
  • 項目1と3で、FH 疑いと診断する。
  • 本人の LDL-C 180 mg/dL 以上の場合はFHと診断する。
  • 項目1のみでも、250 mg/dL 以上は FH、180 mg/dL 以上は FH 疑いと診断する。



  • LDL-C が250 mg/dL 以上の場合や黄色腫が認められる場合、ホモ接合体を鑑別する。
  • 本人に FH の病原性遺伝子変異がある場合は FH と診断する。
    親または同胞に FH 病原性 遺伝子変異が判明すれば FH の家族歴(項目2)に加える。
  • 早発性冠動脈疾患は、男性55歳未満、女性65歳未満で発症した冠動脈疾患と定義する。
  • FH 疑い例は更なる精査や脂質低下療法が必要である。

早期かつ正確な診断の重要性

HoFHは、一般人口の中で過小評価され、きちんとした治療が行われていないことがあります。8,11

  • 医師のHoFH(ホモ接合体家族性高コレステロール血症)に対する認識不足12
  • 動脈硬化予防の可能性のある小児期に診断されていない症例が多い13
  • 多くの患者が初診時にHoFHではなくHeFH(ヘテロ接合体家族性高コレステロール血症)と誤診 3,14

HoFH患者における総コレステロール(うち90%はLDLコレステロール)の上昇度と持続期間は、一般的に動脈硬化および死亡率、心血管死亡率と比例しています。そのため、迅速な診断と治療開始の必要性があります。15

コレステロール値の上昇(治療中)による死亡率リスクの増加15*

TC = 総コレステロール

*南アフリカと英国で1990年から2014年の間に脂質低下薬の併用治療を受けたHoFH患者133人の脂質値と臨床転帰のレトロスペクティブ調査

MI(Myocardial Infarction)=心筋梗塞
ASCVD(Arteriosclerotic Cardiovascular Disease)=動脈硬化性心血管疾患
LDL-C(LDL Cholesterol )=LDLコレステロール
TC(Total Cholesterol)=総コレステロール

参照

1. France M et al. Atherosclerosis. 2016;255:128–139;
2. Brunham L, et al.
3. Cuchel M et al. Eur Heart J. 2014;35:2146–2157;
4. Santos RD et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016;4:850–861;
5. Fahed AC et al. Cholesterol. 2017;2017:3685265;
6. Rocha VZ et al. J Am Coll Cardiol. 2013;61:2193;
7. Ito MK, Watts GF. Drugs. 2015;75:1715–1724;
8. Nordestgaard BG et al. Eur Heart J. 2013;34:3478–3490;
9. Hopkins PN et al. J Clin Lipidol. 2011;5:S9–S17;
10. Sturm C et al. J Am Coll Cardiol. 2018;72:662-680;
11. Baum SJ et al. J Clin Lipidol. 2014:542–549;
12. Bouhairie VE, Goldberg AC. Cardiol Clin. 2015;33:169–179;
13. Alonso R et al. J Clin Lipidol. 2016;10:953–961;
14. Hemphill L et al. J Gen Intern Med. 2020 35:2225-7;
15. Thompson GR et al. Eur Heart J. 2018;39:1162–1168.
16. 日本動脈硬化学会(編):成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022, 日本動脈硬化学会, 2022, p10
17. 日本小児科学会  日本動脈硬化学会(編):小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022, 日本動脈硬化学会, 2022, p6